インタビュー⑨

タン・ヴァン・ドゥア(デイサービス友乃家君塚)

成功するまでベトナムには帰らない!

ベトナムには介護の仕事がない

こんにちは、ベトナムから来日して4年目になるドゥアです。

いまは大原学園千葉校の介護コースで勉強しながら、1年半前から友乃家でアルバイトをしています。

私はもともとベトナムの大学で看護師になるための勉強をしていました。べトナムで看護師は、そこそこのお給料をもらえる人気の職業です。

しかし、ざんねんなことに就職先がありませんでした。家族や親せきのコネがないと病院に就職するのはむずかしく、私にはそのコネがなかったのです。

かわりに考えたのが、介護の仕事です。ベトナムでは、高齢者の面倒を家族が見ます。私自身、おじいさんおばあさんのおむつを換えたり食事の介助をしていて、介護が身近にありました。

ただ、介護は家族の仕事なので、ベトナムではまだ職業として成り立っていません。そこで介護の仕事をするために日本への留学を決めました。

来日後は、まず新聞奨学生(小学生じゃないですよ! 日本語はむずかしい……)をしながら、東京・杉並区の日本語学校に通いました。

仕事は、朝刊が朝の2時に起きて6時まで配達します。夕刊は、午後2時から4時までです。午前中は日本語学校に通って日本語の勉強です。

勉強と新聞配達の両立は、正直たいへんでした。しかし、この世の中に楽な仕事はありません。逆に、いい経験になると思って頑張りました。

家族と会えなくなったのは、さびしかったです。ただ、週に一度はインターネットでビデオ電話をしていたし、お休みの日は友だちとベトナム料理店に行ったりしていたので、「帰りたい」とは思いませんでした。

外国人でもマネジャーになれる!?

日本語学校は2年間で終わりです。次は大原学園で、介護を学びます。

このとき新聞奨学生も終わったので、次の仕事が必要でした。日本語学校の校長先生が、「介護を勉強すらならここはどうか」と紹介してくれたのが、友乃家でした。

じつはこのとき、もう一つの候補として、ある病院の介護の仕事も紹介されました。

迷いましたが、友乃家に面接に行くと、社長がこう言ってくれました。

「いま日本で少し働いてベトナムに帰って成功するのは簡単です。でも、ドゥアさんには日本で成功してほしい」

じつは私も日本で成功することが望みでした。友乃家では、外国人でも昇格のチャンスがあって、マネジャーになれるとか。社長の話を聞いて、「ここで働きたい」と思いました。

もう一つ、気に入ったことがあります。「友乃家」という名前です。

さっきも言いましたが、私は家族に会えなくて少しだけホームシックでした。「友だちの家」なら、きっとフレンドリーな職場だろうという気がしたのです。

みんな優しくて、逆に甘やかしすぎ……

私が働き始めたのは、デイサービスの君塚事業所です。週の平日は学校で介護の勉強をして、週末や夏休みなどのお休みに日に友乃家で働いています。

最初はたいへんでした。もっとも困ったのは言葉です。

2年間勉強したので、他のスタッフさんとのコミュニケーションは問題ありません。しかし、利用者さんはおじいさんおばあさんで、ちょっと聞きとりづらい……。日本語は本当にむずかしいです。

介護の仕事そのものは、うまくできていると思います。

ベトナムにいたときはおむつ交換も自分流でてきとうにやっていました。だから交換中に便が出て、汚れてしまうこともありました。

一方、大原では「鼠径部をおさえながらやると、交換のときに漏れにくい」と教えてくれます。学校で技術を教えてもらったことを活かせるのはいいですね。

職場の雰囲気も、「友乃家」の名前通りにみんなフレンドリーです。わからないことは優しく教えてくれるし、外国人だからと差別・区別されたこともありません。

私は厳しくしてもらったほうが勉強になると思っていて(社長もそう言ってます)、いまは甘やかされすぎていると思うくらいです(笑)

ちなみに学校の友だちがやっている他のバイト先に比べて、時給もいい。ですから、職場には何の不満もありません!

40歳まで管理者になりたい!

友乃家で働き始めて、いま1年半経ちました。

仕事には半年くらいで慣れてきて、みなさんに頼ってもらえる場面も増えてきました。器用ではありませんが、諦めないでコツコツやることが自分の長所。まじめにがんばったおかげで、成長できたのだと思います。

課題は、やはり日本語でしょうか。

働き始めたころに比べるとじょうずになり、デイサービスではほぼ問題なくなりました。しかし将来、訪問介護をやるなら、いまの日本語能力では不安です。これも地道に努力していくしかありませんね……。

介護の学校は来春に卒業見込みで、いまは1月に予定されている介護福祉士の資格試験のために勉強する毎日です。

卒業したら、このまま友乃家で正社員として働きたいです。

友乃家の最大の魅力は、やはり昇格のチャンスがあることでしょうか。

友だちのバイト先は大きな会社ですが、そのせいなのか、日本人でも20年ずっとヒラのままという人がいるそうです。

一方、友乃家はまだ小さいですが、将来大きくなって自分も出世できる可能性があります。しかも、日本人も外国人も関係なくチャンスがある。そんな介護の会社は、学校の友だちに聞くかぎり他にありません。

正社員になったら、3年で相談員(ケアマネジャーさんや利用者のご家族とやりとりする役職)になることが目標です。

そして40歳までは管理者になりたい!!

いま27歳ですから、あと13年。それが実現するまでベトナムには帰らないつもりです。

私と同じように、日本で成功したい外国人はたくさんいるでしょう。

私はまだ半人前で、偉そうなことは言えません。でも、ひたすらがんばり続ければ、いつか夢はかなうと信じています。

日本で成功したい人がいれば、ぜひ一緒に友乃家でがんばりたい。そしておたがいに夢を叶えられたら最高ですよね。私も負けないように、がんばり続けるつもりです!